伊東友香

ひとりごと

  • - 2024.01.22 -

    少しずつ嘘

    昔の恋人が
    元気でいてほしいと思うなら
    元気でいよう

    老いた母が
    綺麗でいてほしいと望むなら
    綺麗でいよう

    死んだ父が
    私は太陽だと言ったから
    笑顔でいよう

    誰かの思う姿が
    少しずつ嘘でも

    願いに近づきたいのが
    愛だと
    子守唄が聴こえてくるから

    愛に近づいたのは
    夢じゃないと
    月明かりが降りてくるから

  • - 2024.01.22 -

    君が望むなら

    君が望むなら
    傍にいよう
    君が望むなら
    笑っていよう
    君が望むなら
    一緒に泣こう
    君が望むなら
    そっと
    この場所から立ち去ろう

  • - 2024.01.22 -

    誓い

    息子は
    将来なんて
    ずっと先のこと
    わからないよ
    一年だって遅いんだから
    と、言う

    私は
    一年なんてあっという間で
    もうすぐ死ぬと思ってる

    もし、一年だって遅いなら
    まだまだ君と遊んでられる

    一日をよすがに生きるしかない
    人とはなんて非力だろう
    だけれど、君が遅いという
    時の流れをお花畑に
    今は奇跡に
    笑っていよう

  • - 2024.01.22 -

    なるべく

    人は幸せになろうとしなきゃいけない
    人は誰かを愛そうとしなきゃいけない

    でないと、ただの穴になる
    ふさいでも穴から闇が溢れ出す

    闇が人を傷つけて
    血で世界が澱んで行く

    だから、人は
    眠るのも食べるのも
    祈るように
    幸せになろうと生きなきゃいけない
    笑うのも抱くのも
    祈るように
    愛を串刺して生きなきゃいけない

  • - 2024.01.22 -

    時が

    どうにもならないことを
    どうにかする

    そのために生きてきてしまったよ

    必死で

    時が

    過ぎるよ

Photo ノザワヒロミチ