伊東友香

ひとりごと

  • - 2025.06.09 -

    星に願いを

    あと少しあと少しと思って
    今日が終わる

    あと少しあと少しと思って
    人生が終わるなら

    少しにどんな願いを懸けよう

  • - 2025.06.09 -

    休み明け

    休み明けのやる気の出ない朝
    春の風が吹きつける

    日差しは強いのに
    風は冷たくて
    やるせなさが薄れていく

    キャベツを買った次の日に
    宅配便でキャベツが届き
    冷蔵庫に入りきらない

    少しずつ上手くいかないどうでもいいことが
    なにもかもダメになる因子となり
    行く手を阻む

    明日を忘れるくらい
    夢中になれたら
    もう、死んでもいいかな

  • - 2025.06.09 -

    揺れながら

    自分がなにものでもないと知る
    生きて死ぬその間に

    あなたにだけは
    好きだったと
    揺れながら伝えたい

  • - 2025.06.09 -

    迷子

    ひとりでいるのも
    ふたりでいるのも
    無理だという
    馬鹿げた窮地によく陥る

    私はいったいどうしたいんだろう
    子供のころも
    大人になっても
    わかった試しがない

    わからないまま
    迷子なのに
    家を知ってるふりで生きてる

  • - 2025.04.22 -

    新緑

    暑くも寒くもない季節を
    好きでも嫌いでもないあなたと歩く

    別々に死んでもいいけれど
    一緒に生きてもいいかもしれない

    たんぽぽの綿毛ほど
    軽いくらいがちょうどいい

    風が吹けば飛んで行く
    気やすさがちょうどいい

Photo ノザワヒロミチ