伊東友香

ひとりごと

  • - 2024.02.06 -

    おんなじふたり

    傷つけられて
    泣いたのも
    愛しすぎて
    泣いたのも
    あなたに流した涙

    いとおかしくて
    笑ったのも
    皮肉ったらしく
    笑ったのも
    あなたにこぼした笑顔

    そこにいたのは
    おんなじふたり
    掛け合う吐息に怒声がまじっても
    最後まで一緒にいたかった

  • - 2024.02.06 -

    連理の杉

    あなたの時間を奪ってるのかもしれない
    私の時間をあげているともいえるけど

    幾重にも積み上げられた時層は
    何色だろう
    憎しみと愛おしさが混じって
    どんな熱を発しているのか

    その色に
    その熱に
    反応しては
    言葉が視線が温度が
    一日を織りなしていく

    いつか京都の貴船で見た
    枝が絡まってほどけない
    楓と杉のように
    もはやどっちがどっちの手足かわからない
    ひとつの化石になるのだろうか

  • - 2024.01.22 -

    明日の朝には

    水槽の中で
    死にそうな魚が泳いでいる

    普通、横顔を左に
    もしくは右にスイスイと泳ぐはずが
    人でいう仰向きとか横向きとかを交えながら
    平べったく泳ぐさまは明らかにおかしく
    死を間近に感じる

    かれこれ、丸二日そんな風で
    祈りは虚しく持ち治すわけでもなく
    死にそうで死なないのだ

    犬だったら
    安楽死を考えるところだか
    テトラを網で掬ってそのままにしたところで
    ただの、魚殺しじゃないのか?

    今日のところは
    先に寝てしまうが
    明日まだ魚が中途半端に生きていたとして
    どうしたものか

    庭の椿の木の栄養に
    なればいいのに

    いっそのこと
    明日の朝には


  • - 2024.01.22 -

    怠慢

    丁寧なものに強く惹かれる。
    真剣に向き合うことに怠けない生き方。

    戦後、日常の中に美しさを見つけるのは、今より余程大変だったろう。
    だからこそ命を掛けるほどの情熱で、捻り出してでも追い求めることが出来たのかもしれない。

    日々の健やかさに気付けない幸せという怠慢は、そろそろ卒業したい。

  • - 2024.01.22 -

    ママ

    「ママ!」と声がしたから
    振り向いたら
    他所の家族だった

    私はどれだけ
    探されたいんだろう

    これでも、まだ足りないの?

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Photo ノザワヒロミチ