© 2015 itoh yuka
- 2023.09.12 -
ひとりじゃ寂しいんだ
誰かに抱きしめて欲しくなる
ひとりじゃ眠れないんだ
誰かに歌って欲しくなる
その誰かがわからないまま
ちょっと、長く生きてきちゃったよ
この人かと思っても
波のように過ぎれば
違うから
次の波を待つ日々の
くりかえし
実態のない恋愛という概念に失望しすぎて
肌に慣れ浸しんでみたり
今夜はひとりじゃ寂しいんだ
月のせいにして
今からこない?
- 2023.09.12 -
ただ生きているだけじゃ
やるせなくて
あれこれ手を出してみたけど
結局、やるせなさは
変わらないようす
- 2023.08.18 -
悪気がないとわかっていても
デリカシーのない言葉には
やっぱり傷つく
過剰に反応してるのは
身に覚えがあるから
それがわかるから
自分に傷つく
- 2023.08.18 -
片頭痛におそわれて
横になっていた午後
遊び盛りの息子は
ママ大丈夫?と言いながら
隣の部屋でテレビを見てる
動物園は無理でも公園に
公園は無理でも映画館に
映画館も無理ならせめてリビングで
なにかしてあげなきゃと思いながら
起き上がれない
子供に物足りないとされるのは
やるせないもので
そもそもよく考えれば
当たり前のこと
暇だ暇だと騒がれている間に夜が来て
絵本を読めば彼はご機嫌で
朝にはいつもより早く支度して
学童へ駆け出して行く
珍しく後ろを振り返り
ママ、バイバイ
と、言うから
不覚にも涙が出そう
- 2023.08.14 -
出会えたと思っても失ってしまうものの多さに
俯いてしまったら
スマフォにしのばせた写真を覗きかえすみたいに
心をしんとさせながら思い出す
君の声
君の柔らかさ
君のうるんだ瞳に映った
あの日あの時の私
一瞬を人質に未来へ飛び込む
© 2015 itoh yuka