© 2015 itoh yuka
- 2024.08.27 -
神さまは平等に不平等で
目の当たりにするのに
疲れて
せめて子供くらいは守りたいと願っても
弱者こそいたいけな瞳に
問答無用にシャッターを下ろされて
なんなんだ?
と、叫びたくても
白々しい
役立たずの誰かの手は
ここで
おにぎりを握ってる
- 2024.08.27 -
一緒にいっぱい笑っておけばよかったと
手遅れになっておもう
誰かと笑っていただろう
あなたを思い浮かべる
失ったあとに気付くのは
不在の偉大さで
地球にぽっかり穴が空いたみたいに
輪郭がはっきりしてる
なぞるように
愛しなおせば
やっぱり
君は同じ笑顔で
僕の名前をはずむように呼ぶんだ
- 2024.08.27 -
なんで?
って、聞かないのに
わかってくれそうな
気配で
好きになる
夏の夕暮れ
- 2024.08.27 -
なんでこんなことになっちゃうんだろう
なんでこんなことがおきちゃうんだろう
おかしいだろ
君がいないなんて
- 2024.08.27 -
同世代の訃報を
ちらほら聞くここ最近
同級生が今朝方亡くなったという
連絡を受けた
密接というわけではないが
私よりずっと明るい彼女に
助けられたことが確かにあった
思い出すのは
彼女の結婚式のドレス姿でも
新居へお邪魔した時のママ姿でもなく
学生時代
井之頭公園の帰り道や
吉祥寺のジョイタイムで
ダラダラと笑い話をした
声や仕草やシャイな優しさで
豪快で実は奥ゆかしい魅力で
一番に
笑顔を思い出す
永遠に笑顔を思い出す
今も
笑顔を思ってる
© 2015 itoh yuka