伊東友香

ひとりごと

  • - 2023.12.13 -

    美化しないで

    今の君があるのは過去の不幸があったからとか
    知ったようなことを言われたくない

    あの人は死んでも近くで見守っているとか
    白々しいことを言われたくない

    不幸なんてないに越したことはないし
    起きたことは
    ただのどうしようもない史実

    美化したいなら
    自分でするし
    たぶん、しないし

    無は無だし
    今は今だし

  • - 2023.12.13 -

    正々堂々

    任意という名の強制が多すぎる
    曖昧に流せるかと思えばしつこくて

    やらないなら殺すと言われたら
    いっそ正々堂々と戦えて
    清々しいんだけど

  • - 2023.12.13 -

    もし神さまが宿るなら

    もし神さまが宿るなら
    なにがいいだろう

    無造作に飾ったコスモスとか
    履き慣れたいつものブーツとか
    長生きの金魚なんかがいいかもしれない

    もし神さまが消えるなら
    どんなときだろう
    水をかえずに干からびた花とか
    履きつぶれて捨てられたブーツとか
    白くなって浮かんだ金魚のもとからは
    去るのだろうか
    それとも
    捨て置かれたものにこそ
    宿るのだろうか

    金魚のお墓にお子様ランチの旗を立てる
    息子の涙に宿るのだろうか

  • - 2023.11.28 -

    歩道橋

    冬なのに
    暑い日があったり
    朝なのに
    寝ていたかったり
    家族なのに
    嫌いになったり
    自分のことを
    いじめたくなったり

    いろいろとありながら
    顔をあげれば
    青空に赤い葉がちらちら舞って
    歩道橋を渡ってる

    一瞬空に近づけるなら
    階段を昇ってみよう

  • - 2023.11.28 -

    正直なところ

    仕事をしない人と
    仕事をしたくないのが
    正直なところ

Photo ノザワヒロミチ