伊東友香

ひとりごと

  • - 2016.09.20 -

    おなら

    旦那の浮気会見で
    微笑む正妻が気持ち悪い

    腸煮えくり返ってるならさ
    そのまま旦那を刺しちゃえばいいじゃん

    笑顔でお騒がせしてすいませんって
    あなたが悪いわけじゃないでしょう

    亭主の甲斐性だとそれさえも包み込む
    寛容な妻なんて嘘っぱちだ

    出すとき出しとかないと
    溜まった怒りが
    消化不良で臭いおならになるよ

  • - 2016.09.20 -

    未来のままに

    ひとりでは無理だろう
    あなたの手がいつもあった
    伸ばせば触れることのできる
    ぬくもりに
    幾度も体温を取り戻した

    青白い頬をピンクに染めてくれたのは
    毎年恋をする桜とあなたのほほえみ

    ありがとうと見つめて言うのなら
    愛してると川に舞う花びらのように
    繰り返し抱きしめてくれるよね

    頼りなくはにかむ未来のままに
    木漏れ日を集められるように

  • - 2016.09.20 -

    命の芽

    待ち望む命
    笑いかける太陽

    闇の中、小さな光で
    芽を出した息吹き
    人々の心に希望の種をふらす

    そうして広がっていく
    優しい大海原が風になびく

    あなたもそうだった
    小さくとも強固な力を持つ
    命の芽だった

  • - 2016.09.20 -

    どうにもならないことを
    感じながら
    生きるのはつらいから
    ときどき
    どうにでもできるような気でいる

    コントロール
    できない命を
    無限に輝かせて
    いつまでも
    どこにでも
    行けるような
    羽を広げて

  • - 2016.09.08 -

    幸せな記憶

    幸せな記憶を
    思い出したい

    あなたはあんまり笑わなかったね

    楽しいことなんて
    なんにもないと
    言っていたもんね

    だからかな、
    なおさら、目に焼き付いてる

    あなたの笑った顔が

    幸せな記憶として

Photo ノザワヒロミチ