© 2015 itoh yuka
- 2022.01.05 -
優しいあの人は
本質的なところでは
冷たいのだろうと
私もそうだから
ふと、気づく
- 2022.01.05 -
叶うと
夢は
いつも
夢見てたのと
少し
違うのね
- 2021.09.15 -
子供のころ
母みたいにはなりたくない
と、言ったことがある
いつも家にいて
父の我儘を聞くばかりの母に
イライラしていた
母の歳になり
仕事と家庭
片手ずつひっかけて
ひとりになりたいと思ってる
自分にも充分イライラしてる
逃げたかったのに
逃げなかったのは
なんでだろう
逃げたいのに
逃げないのは
なんでだろう
愛のためと言うのは
簡単だけれど
- 2021.09.15 -
いったいどこへ行きたいのか
行くところなどないのに
いったい誰を愛したいのか
おとこなどいないのに
ここではないと
いまではないと
自分ではないと
心の隙間に風が吹く
追い立てられるように
落ち着かないのは
満足をしらない
心の焦り
新しくもない未来に
生きざまを残せるか?
電線が遮る青い空に
不満を言いながら
コーヒーを飲んで
一日を過ごそうか
- 2021.09.15 -
ないものねだりでは
ないのです
本当になんにもないのだから
私を高揚させるものが
躍らせるものが
瞳を潤ませて懇願するものが
抑えきれない欲望が
静かな湖にすうっと沈んでしまって
なんにもないのです
だから、欲しい
ただただ仲間を呼ぶ
クジラの歌に
惹きよせられる
恋に似たもの
© 2015 itoh yuka