伊東友香

ひとりごと

  • - 2024.05.17 -

    人は誰もいなくても
    生きてしまう

    そばにいたい誰かと
    生きていける

    たとえそれが自分の影を踏むような
    所行でも
    影さえ映らない闇夜でも

    思い出の中にろうそくを一本灯して
    生きていける

  • - 2024.05.07 -

    見つけた

    一本の線をまっすぐに引くことに
    どれほどの意味があるんだ?

    斜めでも波打っても丸まっても
    もはや、点でも

    紛れもない証を
    僕は見つけた

  • - 2024.05.07 -

    変化

    生きていた人が
    死んでしまったり
    愛してた人を
    嫌いになったり
    綺麗な小松菜が
    萎れてしまったり
    晴れていたのに
    雨が降ったり
    太陽が消えて
    真っ暗になったり
    いい夢を見てたのに
    朝がきたり

    そんなことが
    近頃、悲しい

    どうにもできないものだらけの
    世界の中で
    愛した人は
    愛したまま
    死ねたらいいと思うのに
    綺麗な小松菜を
    むしり取って
    食べてしまえたらと思うのに

  • - 2024.05.07 -

    家には

    迷子かと思っていたら
    失踪だった

    帰る気はないんだ
    もう 家には

  • - 2024.05.07 -

    迷子

    わたしあなたとはぐれてしまったみたい
    ちゃんと手を繋いでなかったから
    離したつもりはなかったに
    遠くて
    もう届かないんだ
    冷たくて
    帰り道がわからないんだ

    失った恋の残り火で
    夜を凌いでる

    ごめんね
    はぐれてしまって

    あなたがどこにいるのか
    わたしがどこにいるのか
    わからなくなってしまって

Photo ノザワヒロミチ