© 2015 itoh yuka
- 2023.02.10 -
しなくてもいいことをして
ああ、今日もまた誰かが
せっかくの道から落ちる
次の一歩に低く高揚して
堕落な自由を手に入れて
飛ぶんだ
- 2023.02.10 -
いつもの都会の景色にへ辟易している私は
朝起きて明けた窓の外にチラつく雪に
テンションがあがる
ぜんぶ白くしちゃえばいいのにね
コンクリートの道も
ビルの上のソーラーパネルも
通勤途中のおじさんの頭も
ぜんぶぜんぶ白くなればいい
長靴をはいて歩く私の足取りは
いつもより軽いんだ
ぜんぶ止まってしまえばいいのにね
よく変わる信号機も
前へならえの電車も車も
どこかへ行かなきゃと焦る足も
ぜんぶぜんぶ止まってしまえばいい
そこで見上げる空の雪に
まつ毛を濡らして
なんだ綺麗じゃんって
思うから
- 2023.01.13 -
正月からタイミングが合わないね
さすが私たち
死ぬまで繋がっているだけの道に
朝と夜と一年の終わりをもうけて
新たなふりで頑張ってみようとしてる
雲ひとつない晴れやかな空の下
世界平和を誓ってみたりする
そして、休む間もなく
キスをしてすぐ
あやまってすぐ
抱き合ってすぐ
メールしてすぐ
正月からタイミングが合わないね
さすが私たち
- 2022.12.14 -
あなたは世界は寛容だという
地球は自由になるために生まれてきたのだと
風が吹いてもイラつく私を横目に
縦横無尽に走りまわる
鳥が空を飛ぶ
蟻が巣へ帰る
愛は愛を探し
私は手を伸ばす
帰り道
遠くても近くにいると
今夜も月があの人を連れてくる
- 2022.12.14 -
待てと言われて
走り出したっていい
高いところが好きで
必ず登る君の瞳に
映る空があるよ
怪我をしても
光が見えたでしょう
© 2015 itoh yuka