伊東友香

ひとりごと

  • - 2021.09.15 -

    天国へのおみやげ

    もし天国があるとして
    あの人へのおみやげはなにがいいだろう

    この世になにも残せなくても
    楽しく生きたと言えば
    安心するだろうか

    この世になにも残せなくても
    愛し抜いたと言えば
    誇りに思うだろうか

    この世になにも残せないまま
    ひとりで生きたと言えば
    可哀そうにと泣くだろうか
    そんなもんだと
    笑うだろうか

    束の間、一緒に生きた
    あの人との永遠を鼻歌に
    手ぶらで行けばいいか

Photo ノザワヒロミチ