ランプ

きっと
あなたは
誰かを笑顔にしたかったんだろう
母を家族を愛する人を
守りたかったんだろう

だけれど
あなたの中の
獰猛な虎が吠えては
誰かを怯えさせ
幼い心で爪を立てれば
誰かを傷つけてしまった

溢れた血を見て
泣いていたのは
あなただった

私は逃げてしまった
あなたの優しさを知っていたのに
己を守るほうが大事だったから
あなたはなおさら寂しくなり
自分の中の殻に閉じ籠ってしまった

あなたはみんなを灯火であたためたかったんだろう
その中で安心してみたかったんだろう

笑顔に包まれてただ静かに
それを見ていたかったんだろう

あなたを失ったことは
私の痛み
あなたを見殺しにしたことは
私の業


それを光に変える

光を集めて
光を放って

それを力に変える
勇気を集めて
希望を放って

闇夜のランプになろう

あなたとともに