© 2015 itoh yuka
- 2023.08.07 -
子供を学童まで送っての
かえりみち
あやしいと訝しんでいた空から
ざまあみろとでも言うように
ザーっと雨が降り出す
目の前の歩道橋の下のわずかなスペースに
自転車を突っ込んで雨宿り
駒沢通りを挟んで向こう側にも雨宿りしている男性がいる
それぞれがそれぞれの今日をはじめようとしてて
雨に打たれたり牛乳をこぼしたり妻に怒られりしている
スカートが濡れたりまた乾いたり面倒になったりしている
雨が小降りになり
向こうの男性より一足先に
自転車をこぎはじめる
小降りだった雨はすぐに止み
信号を過ぎた頃には
晴れ間から猛烈な日差しだ
激動の日をしなりと生き抜くのだ
所詮気まぐれな空
あくせくしてもはじまらない
空だけが知っている
© 2015 itoh yuka