© 2015 itoh yuka
- 2017.08.01 -
仕事がひと段落。
ちょっと時間があるなっていうこの感覚、
何カ月ぶりだろう。
子供が産れてから、ひとりのときとはくらべものにならないくらい
忙しい毎日を過ごしている。
空を見たり、鳥が飛ぶ方へ歩いてみたり、ふ~っとこんなにのんびりしたことがないと
子供を胸にこみあげるぬくもりを抱きしめるときもあるんだけれど、
洗濯機ピー、炊飯器ピー、あっ、おむつ変えて、離乳食食べさせて、
はいはいおっばいあげて~
もうバスの時間、パンかじって仕事、急いでお迎え~
みたいな、大統領並みに分刻みで忙しいときもある。
お金がどうとか人がどうとか、そんな仕事をしながらも、
30分後には抱っこ紐の息子とバブバブ言ってチュッチュして、
なんかかなり遠いところから遠いところまでを行ったり来たりしてる。
戦場とお花畑とは言わないけど、一日の中のギャップが激しい。
まあ、私には合ってるかもしれない。
飽きる暇がないくらい、色んな色の毎日。
赤ちゃんが見せてくれるのは、くっきりとした自然の世界。
生き物と生き物の付き合い、それを取り巻く空と大地と木と風と朝と夜だ。
手づかみで欲しいものを取っては口に入れ、無理なら出して、
食べれたらウンチして、どこまでもダイレクト。
眠れなければ怒って、気持ちよく目覚めれば笑って、
左手には赤い積み木、右には紫、横にあるお魚のキラキラくんも触りたくて狙ってはハイハイする、
縦横無尽な存在だ。
自由だな~
それはとてもいいこと。
私も一緒に自由になっておこう。
赤ちゃんとの生活で素晴らしいのは、バカでいいこと。
孤独なんか感じることなく、目の前のことをする。
それは毎日畑に出て食物を育てる無心な農家の人に似て、
身体を動かすシンプルで気持ちのいい生活だ。
とはいえ、眠いんだけどね。
身体も痛いんだけどね。
それを乗り越えて気持ちがいいんだよな。
息子との生活、
瞬間瞬間で、きっと素早く過ぎてしまう。
今を噛みしめておこう。
一心同体だったのが、すでに人間になってきた。
歩きはじめたら、ひとりの人間として、
私を振り向いてニヤッと笑い、まっしぐらに進み始めるだろう。
奇跡みたいな今の時間を満喫しよう。
君は君だけれど、今はママの胸の中だ。
© 2015 itoh yuka