© 2015 itoh yuka
- 2018.05.16 -
悲しみが聞こえてくる
空はこんなに晴れていて
人々はこんなに賑やかしいのに
涙が耳を濡らす
地球はこんなに早く回って
死んだ人など忘れてしまうのに
悲しみが聞こえてくる
やり場のない怒りをかかえ
それを優しさにしようと
苦悶する
誰かの戦いが
風になって
私に届くんだ
- 2018.02.16 -
どうせ生きていくのなら
私は美しいものに
触れ
美しく生きたい
それはひたむきであること
静かであること
声という風に飛ばされない
強い根をはること
どうせ生きていくのなら
私は優しいものに触れ
優しく生きたい
それは悲しみを受け入れるということ
許し包み込むということ
夜空の奥深くに追いやられても
絶え間なく光を発し続けるということ
- 2018.02.16 -
ひらひらと
手振り身振りで
素敵ぶってるものが嫌いだ
媚びている
視界に入るだけで
疲れてしまう
存在が
ただ美しいものは
とても静かだ
見ている人の心を湖にしてしまうほど
冷ややかで神々しい
- 2018.02.16 -
あれこれとうるさいから
一人で誰にも会わずに
隠遁者として生きれたら楽だろうか
出合うというのは
摩擦が起きること
ささくれた心は戻るまでに時間が掛かる
疲れやすい
いつまでたっても
変わらない私の性質
甘えだろうか
だとしても
恐ろしく面倒なのだ
- 2018.02.16 -
綺麗なのもいいけれど
別に汚くてもいいよ
若いのもいいけれど
別に年寄りでもいいよ
大勢なのもいいけれど
別にひとりでもいいよ
流行ってるのもいいけれど
別に古くてもいいよ
楽しいのもいいけれど
別につまんなくてもいいよ
生きてるのもいいけれど
別に死んでもいいよ
とやかくうるさいのが
嫌いなんだ
© 2015 itoh yuka